2020年1月19日に行われた卓球全日本女子シングルスは、準決勝で伊藤美誠選手を、決勝では石川佳純選手を連破した早田ひな選手が初優勝しました。
五輪代表である伊藤選手や石川選手を破っての優勝。
女子ダブルスでも伊藤選手と組んで3連覇を果たしているので、早田選手は今年2冠に輝いています。
東京五輪代表は逃しましたが、3月に行われる「世界卓球2020釜山」への代表入りが決まった早田選手。
優勝が決まった直後に、涙をこぼしながらインタビューに答える姿が印象的でした。
早田ひな選手のプロフィール
早田選手は2000年7月7日生まれの19歳。
平野美宇選手、伊藤美誠選手とは同い年で、「女子卓球黄金世代」の一人です。
福岡県北九州市生まれ。
平野選手や伊藤選手は両親が卓球経験者ですが、早田選手の両親は卓球とは無縁な方です。
早田選手が卓球と出会ったのは、4歳のころ。
お姉さんが通っていた名門石田卓球クラブについて行ったことがきっかけなのだそうです。
中学時代には全国中学校卓球大会で2年連続優勝をしています。
2014年には第20回アジアジュニア卓球選手権大会の女子団体に、平野選手、伊藤選手とともに出場し優勝。決勝ではあの中国を下しています。
高校は希望が丘高等学校に進学し、高校1年生でインターハイの卓球女子シングルスで
優勝しています。
この頃、他にも数々のタイトルを獲得します。
そして2017年、ワールドツアー・スウェーデンオープンにて、伊藤選手とのダブルスで
世界ランク1位の朱雨玲(シュ・ウレイ)、2位の陳夢(チン・ム)ペアに勝利して優勝。
2018、2019、2020年の全日本選手権では、伊藤選手とダブルスを組んで3連覇をはたしています。
そして今回の全日本選手権シングルスにおいて、準決勝で伊藤選手を、決勝で石川選手を下して優勝に輝きました。
五輪落選の後に
今回の全日本選手権決勝では4度の優勝を果たしている石川選手に4-1で勝利。
強烈なドライブをたたきこむなど、圧巻のプレーで優勝しました。
その勝因は、五輪落選後の自分の限界を超えた練習が実ったのではないでしょうか。
早田選手は、6日の五輪代表発表後、「自分は頑張っていないな」と感じたのだそうです。
一歩先を行っている、同い年の伊藤選手や平野美宇選手との差を、何をすれば縮められる
のかわからなかったのだそうですが、五輪代表落選後は限界まで練習すると決心したとのこと。
そこで、食事をする時間も惜しんで、夜遅くまでサーブの練習などを頑張ったのだそうです。その姿を、石田大輔コーチも目撃。
「自分が帰ろうとした夜にも、練習場の電気がついていて、早田選手が一人でサーブを練習していた」と石田コーチは涙ながらに語っています。
早田選手本人も、「この2週間の練習の成果が出たのではないか」と語っています。
早田選手の優勝後のコメント
早田選手の優勝のコメントを要約しました。
「同学年の平野選手、伊藤選手が全日本選手権で優勝しているので、それに続きたいという気持ちがあった。
伊藤選手や石川選手を下して優勝できたのは自分の今後の自信になった。
伊藤選手は学ばせてもらうことが多い存在。
彼女のプレイを見ることで、自分もできるかもと思え、戦術の幅を増やすことに繋がる。
伊藤選手、平野選手は良きライバルだと思う。
昨年に、東京五輪の代表の座を争った選手たちと、全日本で試合ができて、そして優勝できたのはうれしい。
しかし、五輪に出たかったという気持ちはある。
選ばれなかったことで、自分を追い込むことができた。
納得がいっても、さらにもうちょっと追い込んで、今まで逃げていたことから逃げなかった。
この試合ではその成果が出たと思う。」とのこと。
優勝した瞬間の涙は、今までお世話になっていたが、なかなか恩返しができなかった石田卓球クラブへの、思いと感謝が涙となったそうです。
「2020年のテーマは「挑戦」
色んな事に挑戦して、逃げずに頑張りたい。」といったコメントを残しています。
五輪代表に選ばれなかったことで、新たな決意が芽生えた早田さんの言葉がとても前向きで、芯の強さを感じました。
他にも波乱の結果が!
今回の全日本選手権では、男女シングルスにおいて東京五輪代表選手はだれも優勝することができませんでした。
男子シングルスは18歳の宇田幸矢選手が初優勝となっています。
本命かと思われていた、張本智和選手は決勝で宇田選手に敗れ、丹羽孝希選手も準々決勝で敗退しています。
平野美宇選手は、5回戦で高校生に敗れてベスト32という結果になってしまいました。
こういった結果になった理由として、日本女子代表の馬場監督は、「五輪代表をかけた戦いを終えたばかりで、疲労もあったのではないか。勝ってたり前、という心理的な負担も考えられる」としています。
また、かつては全日本選手権といえば、日本一を決める大会で、選手たちはとても力が入っていましたが、今は、年間を通して国際大会に参戦しており、そこでの獲得ポイントで世界ランキングが決まるシステムとなっています。
全日本選手権ではポイントが加算されないので、ワールドツアーなどの世界大会にモチベーションを置く選手もいるのではないか、とも言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
2020年の卓球全日本選手権女子は早田ひなさんが五輪代表を連破して、シングルスでもダブルスでも優勝を果たしました。
この優勝で、早田さんは世界選手権団体戦の代表の座を獲得しました。
もしかしたら、東京五輪のバックアップメンバー(補欠)に入るかもしれませんね。
現在、日本の女子卓球界では伊藤美誠選手がナンバーワンとも言われていますが、早田選手には伸びしろの大きさがあると思います。
手足が長いのを生かした早田選手のダイナミックなプレーは観客を魅了します。
まだ19歳と、これからが大いに期待できる年齢ですから、4年後のオリンピックであるパリ大会を見据えて、さらにランクアップすることを期待したいと思います。
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