ディズニー作品の中でも有名な一作『眠れる森の美女(1959)』のリメイクとして、美しき最強ヴィランのマレフィセントを主人公にしたダークファンタジー映画『マレフィセント(2014)』の続編が公開されました。再びアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、新たなる伝説がオリジナルの物語として生まれたのです。本作は、ヨアヒム・ローニング(代表監督作:パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊)を監督に迎え、主要キャストのマレフィセントやオーロラ姫、ディアヴァルは前作のキャストを起用した作品となっています。
あらすじ
むかし、むかしあるところに…マレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)は、血の繋がっていないオーロラ姫(エル・ファニング)との間に、真実の愛を見つけたことにより親密な関係となっていました。永遠の眠りから目覚めたオーロラ姫はムーア国の女王となり、フィリップ王子(ハリス・ディキンソン)からの結婚のプロポーズを受け入れました。彼のアルステッド王国に婚約者として呼ばれると、そのとき妖精界を滅ぼそうとする恐るべき罠がフィリップ王子の母親であるイングリス王妃(ミシェル・ファイファー)により仕掛けられてしまうのです。そして結婚式の当日、オーロラ姫に更なる危機が忍び寄ってきます。愛するオーロラ姫を救うため、美しきヴィラン、マレフィセントの究極の愛が再び試されるのです。
前作の振返り
前作『マレフィセント』では、洗礼式に呼ばれなかったマレフィセントはオーロラ姫に「16歳の誕生日の日没までに糸車に指を刺され死の眠りにつく」という呪いをかけました。マレフィセントは「真実の愛のキス」によって呪いが解かれるであろうと告げますが、彼女は真実の愛などないと考えていたため、それは絶対に解けない呪いだったのです。オーロラ姫の父親は16歳の誕生日の翌日まで3人の妖精にオーロラ姫を預け、身分を隠して養育させようとします。しかし、呪いの効果を発揮するまでにオーロラ姫が死んでしまうと見兼ねてマレフィセントとディアヴァル(サム・ライリー)とでオーロラ姫の成長を見守り続けました。マレフィセントはオーロラ姫に恋をしたフィリップ王子のキスが彼女を救うと信じますが、彼のキスでは呪いが解けませんでした。絶望したマレフィセントはオーロラ姫の枕元で彼女への愛を語り、自分の生命のある限り彼女のことを守ると誓ってその額にキスをします。するとその真実の愛によってオーロラ姫は目覚めたのでした。
このようにヴィランだった妖精のマレフィセントが良い妖精になったのはとても驚きでしたよね。
見どころ
親子愛
何と言っても本作の見どころは、マレフィセントとオーロラ姫の親子愛だと思います。実際に血の繋がっていない2人であることは、皆さんもご存知だと思います。前作での2人の絆があるからこそ、本作がより一層輝きを増した作品になったと感じられました。そして2人が徐々に本当の母娘のようになっていくことにとても感動し、彼女たちの親子愛と絆に思わず涙を流してしまいました。
美しい景色
また、美しい景色にうっとりしてしまうと思います。実際に、自分も空を飛んでいるのではないかと錯覚してしまいそうになるカメラワークにハラハラドキドキしてしまうのではないでしょうか。そして緑豊かで美しくキラキラと輝いたムーア国の様子は、この世では見れないものだからこそ、より貴重なものとして感じました。実際に本物の植物を使ってセットを組み、ロンドンのパインウッド・スタジオにあるサウンドステージに置かれたその樹木や花々はしっかりと温度管理されたそうです。また、青々とした森屋川にリアリティを出すために、屋外ロケを活用したシーンもあるそうです。個人的な感想として、自然破壊などに対しての警鐘もしている作品なのではないかと感じました。美しい景色や自然を大切にしなければならないと、きっとこの作品を鑑賞して感じる方もいらっしゃると思います。
美しい衣装
そして、美しい衣装に目を奪われる方も多いと思います。前作に比べてレベルアップした衣装の数々はフランスの印象派から色味のヒントを得たそうです。そして、オリジナルアニメ版『眠れる森の美女』ファンの方なら、あっと驚くあのドレスに基づいた衣装も登場します。ぜひ、探してみてください。
感想とおすすめの観かた
本作では、マレフィセントのルーツにも触れられます。前作を鑑賞後に、本作を鑑賞されるとより楽しめるのではないかと思います。どの世代の方にもオススメできる作品だと思います。個人的に母娘で観て欲しい作品です。きっと観賞後、顔を見合わせてお互いに笑顔になってしてしまうのではないでしょうか。美しい景色と衣装を堪能するためにも映画館での鑑賞がおすすめです。
スタッフと出演者
MALEFICENT: MISTRESS OF EVIL (2019 アメリカ)
製作/監督:ヨアヒム・ローニング
製作/脚本:リンダ・ウールヴァートン、ノア・ハープスター、ミカ・フィッツァーマン=ブルー
製作/プロデューサー:ジョー・ロス、アンジェリーナ・ジョリー、ダンカン・ヘンダーソン
製作総指揮:ジェフ・キルシェンバウム、マット・スミス、マイケル・ヴィエイラ、リンダ・ウールヴァートン
撮影監督:ヘンリー・ブラハム
プロダクション・デザイナー:パトリック・タトポロス
編集:ローラ・ジェニングズ、クレイグ・ウッド
衣装デザイナー:エレン・マイロニック
音楽:ジェフ・ザネリ
出演:アンジェリーナ・ジョリー、エル・ファニング、ミシェル・ファイファー、キウェテル・イジョフォー、サム・ライリー、エド・スクライン、ハリス・ディキンソン、イメルダ・スタウントン、ジュノー・テンプル、レスリー・マンヴィル
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