ガリーボーイ・あらすじと見どころ&感想。ウィル・スミスも絶賛

映画

インドでHIPHOPというのは、あまりイメージがわかない方も多いのではないのかと思います。しかし「さすが…2019年ボリウッド売上1位の作品だ」と思ってしまうような作品が現在公開中です。インド映画と聴くと歌って踊る映画だというイメージが強い方が多いかもしれません。この作品はもちろん歌もダンスもありますが、今でも厳しい格差社会の存在するインドを舞台としたサクセスストーリーとなっており、心が揺さぶられるとても見応えのある作品となっています。

『ガリーボーイ』予告編

あらすじ

インドのムンバイにあるダラヴィ地区。この広大なスラムの一画に、イスラム教徒であるムラド(ランヴィール・シン)は、雇われ運転手の父(ヴィジャイ・ラーズ)、母(アムリター・スバーシュ)、弟、そして祖母とともに狭い家で貧しく生活をしていました。今の暮らしから抜け出して成功してほしいと願いながら、一生懸命働く両親にムラドは大学へ通わせてもらいながらも、生まれで人を判断するインド社会に閉塞感と怒りを感じる毎日を送っていました。そんなある日、父が若い第二夫人を迎えたことで家族の関係に波風が立ちます。

ムラドは親の思いを知る由もなく、地元の悪友モイン(ヴィジャイ・ヴァルマー)やサルマンらとつるんでいました。モインがムラドたちに車の窃盗を手伝わせたり、麻薬取引にも手を染めて、子どもたちにも麻薬の運び屋をさせていたりしていることが気にかかっていましたが、生きるために悪事を働く仲間をムラドは止められずにいたのです。

ムラドの恋人は医学生のサフィナ(アーリアー・バット)で、13歳の頃から付き合っていました。医師であるサフィナの父はダラヴィ地区で診療所を開いており、同じイスラム教徒ではあっても裕福な一家でした。サフィナも外科医を目指して医学部へ通い、両親にはムラドとの交際を隠していたのでした。

「俺の人生はこの先も変わらない…」そう思っていたムラドでしたが、ある日大学構内でフリースタイルラップのパフォーマンスをしていた1人の歌手に惹きつけられます。MC Sher(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)と名乗るこの青年は、巧みなラップで聴衆をリズムと言葉で夢中にさせていました。もちろんムラドもそのうちの1人で、どんどんのめり込んでいきます。

そんなとき、父が全治6週間の骨折をしてしまいます。休んでいる間に仕事を奪われないように自分の代理で働くことをムラドへ命じます。大邸宅の専属運転手として働き始めたムラドは、様々な瞬間に社会の格差を思い知らされ、そんな鬱屈した気持ちを詞に綴り始めます。出来上がった詞をMC Sherに歌ってもらおうと差し出しますが「お前の言葉を何で俺が歌うんだ?自分で歌え」と言われてしまい、初めてラップを歌うことになります。

こうしてムラドは『ガリーボーイ(路地裏の少年)』と名乗り、MC Sherの助けを借りてラッパーに成長していきます。やがて音楽学校で学んだ若い女性スカイ(カルキ・ケクラン)から、楽曲をプロデュースしたいと持ちかけられます。スタジオレコーディングと、MV撮影を経て初めての楽曲「Mere Gully Mein(路地裏が俺の庭)」が世に出ます。そして、アメリカのラッパーNAS(ナズ)のムンバイ公演が決まり、フリースタイルラップ・バトルの優勝者にはその前座で歌えることを知ります。

ムラドは今の生活から抜け出しスターになるために、大会での優勝を目指します。

見どころ

実話に基づく作品なのですが今年1番心が高揚し、揺さぶられる作品と出会えた気がします。貧困や家庭環境、格差社会などの色々な閉塞感から生まれる怒りや感情をエネルギーに溢れかえったリリックにし、これをラップに乗せて自分のリアルな言葉として吐き出すムラドの姿はとても格好良くて素敵でした。そして、絶望的な環境から這い上がろうとするその姿に何度も胸も目頭も熱くなり、自分自身の背中を力強く押してくれているようにも感じられました。しかし、ただのサクセスストーリーという印象だけで終わらせない作品となっている部分もみどころかもしれません。現代のインド社会での深層が伝わってくる考えさせられる作品でもあるのです。

また、字幕監修をしたのは、いとうせいこうさんです。このクレジットを見た瞬間リリックをしっかりと訳すつもりだということがわかります。ただ単に言語をそのまま訳すだけではないのです。ヒンディー語で脚韻のある部分は、日本語字幕でも全部韻を踏んでいることにも驚きました。そして、楽曲に合わせて日本語でも口ずさめるんです。この字幕監修は本当に素晴らしいと思います。

さらに、出演者のそれぞれがとても自然な姿で映し出されているのです。親近感が思わず沸いてしまいました。個人的にアーリアー・バット演じるサフィナがとても強くたくましい女性で、大好きでした。

ウィル・スミスも絶賛

『ガリーボーイ』(10.18公開)ウィル・スミス絶賛動画

おすすめポイント&感想

本作は、老若男女全ての世代の方におすすめしたい作品です。実際に私が鑑賞した日にも多くの世代の人が本作品を観て心を奪われていました。思わず、音楽に合わせて縦ノリしてしまう素敵な楽曲の数々も合わせて楽しんでいただきたいので、映画館の大きなスクリーンと最高の音響環境で本作品を楽しんでいただきたいです。とてもおすすめしたい一作です。

キャストコメント動画

『ガリーボーイ』キャストコメント動画

Gully Boy (2019 インド)

製作/監督/脚本:ゾーヤー・アクタル

製作/脚本:リーマー・カーグティー

製作:リテーシュ・シドワーニー、ファルハーン・アクタル

撮影監督:ジャイ・オーザー

編集:ニティン・バィド

美術:スザンヌ・キャプラン、メールーワーンジー

衣装:アルジュン・バシーン、プールナームリター・シン

出演:ランヴィール・シン、アーリアー・バット、シッダーント・チャトゥルヴェーディー、カルキ・ケクラン、ヴィジャイ・ラーズ、ヴィジャイ・ヴァルマー

 

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