核家族や少子化の影響で、お墓を継いでいく人がいなくなったり、故郷を離れて家庭を持つ人も多いために近年、墓じまいをする人が増えています。
墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去して、新しく合祀墓(ごうしぼ)や合葬墓(がっそうぼ)などの新たな場所に遺骨を移動して弔うことを言います。
終活をするうえで、お墓をどうするか悩んでいる人も多いと思います。

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墓じまいは親族でしっかり話し合う必要がありますし、今までお世話になった檀家を離れることでもありますので、とても神経を使う作業となります。
今回の記事では、墓じまいのやり方や墓じまいにかかる費用などについて掘り下げていきたいと思います。
終活の参考にしていただけると幸いです。
Contents
墓じまいのやり方
墓じまいをする手順を解説します。




https://mainichi.jp/articles/20161215/dde/012/040/009000c
1.親族と話し合い、遺骨の供養法を決める
お墓は継承者の家族だけがお参りしているわけではなく、叔父さんや叔母さん、いとこや甥、姪などの親族もお参りされていると思います。
自分が墓を継承していく立場であっても、自分だけの考えで墓じまいをしてしまうと、後でもめる原因となってしまいます。
お墓を移すときは、必ず親族に相談をしましょう。
遠くに移してしまうと、お墓参りに行けなくなってしまう人もいるかもしれません。
墓じまいをした後は遺骨をどうするかなども含めて、親族に相談をしましょう。
具体的な遺骨の供養方法としては、
【新たに墓石を購入して、新しいお墓を立てる】
新しい墓地の購入に伴う費用として、永代使用料・管理費・墓地の設置費用などで100万円から300万円位の費用が掛かります。
他にも、寺院の墓地に納骨するとなると、檀家になるための入檀料や護持会費などの費用がかかります。
費用をなるべく抑えたいという場合は、公営の霊園を探すといいでしょう。
ただし、その市区町村に居住しているなどの条件があるので、確認してみましょう。
最近は樹木葬を選択する人や納骨堂に納める人も多くなっています。
これらの方法も、新たにお墓を立てるより費用を抑えることができます。
【永代供養】
お墓参りができない場合には、永代供養をすると、寺院が代わって供養・管理をしてくれます。
永代供養には、個別墓・合祀墓・33回忌後に合祀されるといった3つのパターンがあります。
相場としては、合祀墓で10万円~30万円くらい。
個別墓で30万円~50万円くらいになるでしょう。
ただし、寺院によって価格は変わりますので、確認するようにしてください。
【散骨】
粉状に粉砕したお骨を海などにまく方法です。




https://www.e-ohaka.com/guide/religion/no-religion/
相場は約5万円~30万円くらいで、お墓の管理などが必要ないので、近年人気になりつつあります。
2.お墓を撤去する
遺骨の供養の方法が決まったら、今あるお墓を撤去します。
使用していたお墓を更地にする必要があるので、石材店に依頼しましょう。
3.埋葬証明書をもらう
納骨してあるお墓の管理者に頼んで、埋葬証明書を発行してもらいましょう。
4.受入証明書をもらう
新しく納骨する場所の管理者に頼んで、受入証明書を発行してもらいましょう。
散骨などの場合には、受入証明書はないと思いますので、改葬許可申請を出す役所に事前にその旨を連絡しておきましょう。
5.改葬許可申請を提出
お墓がある地域の役所に必要事項を記入した改葬許可申請書と、埋葬証明書と受入証明書を提出します。
数日かかりますが、改葬許可証が発行されます。
改葬許可証をもらうことで、初めて遺骨を取り出すことができます。




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6.閉眼供養を行う
閉眼供養を行うことで、故人の魂を抜いてお墓を石碑に戻すことになります。
僧侶による読経とお参りの後、遺骨を取り出すことになります。
閉眼供養のお布施の相場は数千円から5万円くらいでしょう。
7.遺骨の取り出し→お墓の撤去
閉眼供養の法要が終わったら遺骨を取り出します。
遺骨の取り出し作業は石材店に依頼することが多いです。
お墓の撤去は石材店にお任せします。
新しい納骨先の管理者に改葬許可証を提出します。
墓じまいにかかる費用
墓じまいは人生のうちに1度しか経験しないものだと思います。
どれくらいの費用がかかるのか見当がつかない人が多いと思いますので、大体の目安をお伝えします。
石材店に支払う費用
まず、お墓の撤去費用がかかります。




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相場としては、1㎡あたり約10万円くらいが平均的かと思います。
他にも遺骨の取り出し料金を支払わなければいけない所もあります。
離檀料と閉眼供養のお布施
檀家をやめるということで、それまでにお世話になったお礼として、離檀料を支払うことになります。
相場としては、3万円~30万円くらいとお寺によって幅があります。
また、近年墓じまいをお寺に申し出ると、数百万円という法外な離檀料を請求されるといったトラブルがあるようです。
そういった請求に遭った場合は弁護士などに相談しましょう。
閉眼供養に対するお布施としては、こちらの謝礼としての気持ちの額で大丈夫です。
相場としては、数千円~5万円くらいでしょうか。
金額に迷う場合は、事前にお寺の僧侶の方に相談してみましょう。
新しく移転する墓地へのお布施
新しくお墓を建設して遺骨を移動する場合には、開眼法要や納骨法要を行うために、お布施が必要です。
お布施に関しては、気持ちなので決まった金額はありませんが、相場としては10~20万円くらいでしょう。
納骨堂に遺骨を納める場合にも納骨法要を行いますので、お布施が必要です。
相場としては3~5万円くらいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
お墓に関しては、継いでくれる人がいなくなってしまったら、「墓じまい」をするしかない状況になってしまいます。
お墓をそのまま放置してしまうと、「無縁墓」となってしまい、縁故者が見つからなければ、最終的には撤去されてしまうんです。
近年、そのような無縁墓が増えているのだそうです。
お墓にはご先祖様が眠っていらっしゃるので、大事にしたいですよね。
何らかの理由で、お墓を守っていけなくなった場合には、親族間でよく相談をして、先祖代々の遺骨をどのように守っていくのか話し合いましょう。
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