新型コロナウィルス拡大防止のために全国の殆どの小中高校が臨時休校となっています。
それにともなって、生活面で苦しいひとり親家庭の頼みの綱である「子ども食堂」も中止となっている団体が増えているようです。

https://www.thelion-mag.jp/1804th01
小学校低学年の子供を持つシングルマザーの家庭などでは、給食がなくなったことで、お弁当を持って学童に行かせることになります。
貧困家庭の子どもでは給食費が免除となっている家庭が多く、今回のように突然給食がなくなると、昼食代を自分で負担しなければならなくなるんです。
そういった家庭の子どもたちや親が利用できる「子ども食堂」が中止となるのは、大きな痛手となってしまう家族が全国にはたくさんいるんですね。
今回の記事では、食事を満足に食べることができない子どもや大人の支えとなっている、子ども食堂についてや、今回の臨時休校によってしわ寄せを受けている、子ども食堂の運営について掘り下げてみたいと思います。
子ども食堂とは
子ども食堂というものをご存知ない方もいらっしゃると思うので、少し説明したいと思います。
さまざまな家庭環境によって、一人でご飯を食べている子どもや、満足な食事が食べられない子どもに対して食事を提供している場所が子ども食堂です。




https://harinavi.jp/report/kodomosyokudo/
食事の代金としては、子どもたちには無料で提供、大人は200円とするところや、一律200円とするところなど、いずれも格安や無料で利用することができます。
単に「子どもたちへの食事提供の場」としてだけでなく、地域のコミュニケーションの場として機能しているところもあります。
場所としては、公民館などの施設を借りて毎月決まった日に食堂としていたり、飲食店の休業日に場所を借りたりして、色々な形態で行われています。
現在、日本の子どもの約7人に1人が貧困家庭で育っていると言われています。
子ども食堂に集まる子どもたちは、実は多いんですよ。
運営しているのは?
子ども食堂の多くは、NPO法人や地域の有志などが母体となっていることが多いです。
お手伝いをしたいと思う場合は、「こども食堂ネットワーク」というサイトが運営者と手伝いたい人をつなげてくれますよ。




http://kodomoshokudou-network.com/
食材やお金の寄付なども受け付けているので、協力したい人はサイトを覗いてみてください。
新型コロナウィルス・クラスターの可能性
今回の新型コロナウィルス感染拡大の影響で、子どもの居場所でもある「子ども食堂」の多くで、休止の決断をしているようです。
子ども食堂で調理などをしているボランティアの方たちの中には、60~70代という年齢の人もおり、幅広い年齢の人が集まる空間で、濃厚接触となってしまうからです。




https://jmty.jp/nara/com-npo/article-9t0mx
10代~20代の若者世代は、新型コロナの感染による重症化リスクは低いようですが、症状の軽い人が高齢の重症化するリスクの高い人に感染を広めるクラスターの可能性がありますから、濃厚接触を避ける意味でも、食堂の中止は致し方ないのかもしれません。
【続けられない理由】
- 狭い空間に子供が集まる
- ボランティアは高齢の方が多く、重症化するリスクがある
- 感染者が出た時に運営側が責任をとれない
などがあります。
そんな中、毎週木曜日に子ども達が集まる、大阪市阿倍野区の「ときわこども食堂」では、「休校によって子どもの預け先に困っている家庭のためにも、できるだけ続けたい」と、おっしゃっています。
また、毎月5回ほど平日の夜に運営している「新宿ニコニコ子どもひみつ基地」という子ども食堂では、普段はバイキング形式で食事を摂っているところを、感染防止として弁当を持ち帰ってもらう形で運営しているそうです。
さらに回数を増やすことも検討中なのだそうです。
他にも、東京板橋区のNPO法人ワンダフルキッズが運営している「まいにち子ども食堂高島平」は年中無休で毎日三食を無料で提供しています。(大人は朝食100円・昼食200円・夕食300円で利用可能)




https://readyfor.jp/projects/wonderfulkids
今回のコロナウィルス拡大の不安の中でも、「ここに来ている人が発症すれば、考えなければいけないが、ギリギリまでは継続するつもり。休む場合でも食事を持って帰ってもらいたい」ということで、継続する予定だそうです。
また、「手洗いやアルコール消毒などを徹底する」ことで感染予防を行っていくとおっしゃっています。
日本には、食うに困る子がいる!
子ども食堂を利用する子どもの中には、ほんとうに「食うに困る」子どももいるのです。
生活保護受給世帯と、自治体で定められた年収の基準を下回る世帯は、給食費を免除されていて、その数は全国の小中校生で約143万人もいます。
「まいにち子ども食堂高島平」を運営しているNPO法人の代表・六郷さんが、スタッフと子ども食堂を中止するかどうか相談していると、遊びに来ている女の子が「やめられると、行くところがなくなる」と訴えてきたのだそうです。
それで子ども食堂を休めば、お腹を空かせて餓死する子が出るかも・・と思いたち、続けることを決めたそうです。
子ども食堂を中止する決定をした団体の中には、寄付で集まった食材やお菓子を配布したり、お弁当を配ることで支援を続ける団体もあります。
このような民間の団体には、子どもを守ろうと一生懸命動いているところがあることを知ってほしいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新型コロナウィルスの影響は、子ども食堂にまで影響を及ぼしているんですね。
今回の安倍首相の一斉休校の判断は、世間知らずの私個人の意見としては、感染のピークを抑えるという意味で、良い判断だったのではないかと思うのです。
しかしながら、非正規雇用のひとり親家庭などにとっては死活問題なのですよね。
そういった家庭のために、行政ではどうにかできないものだろうかと、悩ましく思います。
今回紹介した子ども食堂には、子どものことを第一に考えてくださってる方がたくさんいらっしゃいます。
やむなく現在中止の判断をした子ども食堂も、新型コロナが一段落したら、また子供たちをぜひ助けてほしいと願います。
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